ヒトトモノノ歯車

ヒトトモノノ歯車

百万年くらい練習して、いつか文章で飯を食う

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Essay & Column

記号と名前の違いの話

人々を名前で呼ぼう。人は自分の名を聞いたときに最も深いところで反応する。 ――Stepanie G Davidson 視界の隅から見知らぬ女性が顔を覗かせた。赤髪に青白い尖った耳が印象的だ。見覚えのないその女性は鋭い耳を震わせながら、自信なさげに僕の名前を呼んだ…

または私は如何にして世界を救うことを止めたか

ここで一つ、昔話をしよう。父はたまに家に訪れては(帰ってきては)気まぐれで僕にプレゼントを与える、そんな人物だった。PlayStationもその気まぐれの産物だ。多くの友人がスーパーファミコンやニンテンドー64、ゲームキューブと専ら京文化と共に青春を過ご…

VHSに拒絶された血と、テープに染み入る僕のミーム

No, I am your father.――Darth Vader / 『Star Wars EP5 ESB』 ジェダイへの道は極めて厳しいものだった。修行は幼稚園年長から小学校低学年に渡って続けられた。その頃、僕は下校の挨拶が済むとほぼ同時に家の自室に帰っていることができた。自室には僕が大…

さよなら、バットマン

映画を観に行く時、いつも必ず目にする風景がある。それはある個人経営のスポーツ施設であり、「ユニオンステーション」という看板を掲げたそれは、映画館に続く広々とした道に面していた。地味な飲食店が立ち並ぶ中、周囲とは浮いた店名の通り品の無いその…

ファイナルファンタジーXVは本当にファンタジーだったのか? -明らかに破綻したシナリオの違和感とその正体-

会話ができない。 僕がFFXVを初めてプレイしたとき、というかジャッジメントディスクをプレイした段階で本作に対していきなり感じた違和感はそれだった。 はじめに、僕がドラクエやFFなどのRPGをプレイする上で、新たな街に訪れた時に必ず行う作業を列挙した…